日常生活における注意点

特に注意していただきたい点

骨折、骨変形・骨粗鬆症

 大腿骨が最も骨折しやすく、脊椎、下腿、上腕なども多く骨折します。X線を撮っても分かりにくい微小な骨折も多く、後から骨折であったと分かる場合もあります。

 骨折部位は骨変形の原因となることも多く、大腿骨の変形は歩行を確立する障害となったり、脊椎の変形は呼吸障害や便秘など、日常生活に大きく影響する合併症を起こしたりすることがあります。真っすぐな骨が曲がると、より折れやすくなります。

 一般に、成長するにつれて骨折の頻度は減りますが、その後、骨粗鬆症による腰痛や背部痛がみられる可能性があります。骨折予防のため、必要な場合には早期にビスホスフォネート製剤による治療を開始することが大切です。

強い痛みがなくても骨折を疑う場合

 強い痛み、変形(骨の曲がり)、異常可動性、痛くて身体を動かせない、などの症状がそろえば、X線検査でも明らかな骨折像がみられて容易に診断ができます。

 しかし、これといった原因も思い当たらないのに徐々に疼痛が出てくる場合や、数日間の安静で疼痛が消えてしまうような場合でも、骨折していることがあります。子どもが疼痛を訴えなくとも手足を動かさない場合、抱っこやオムツ交換・更衣を嫌がる場合、鈍い痛みであっても軽快せずに数日以上続く場合は、主治医に相談しましょう。

 動かしているうちに徐々に弯曲変形が生じてくる可能性があるので、新たな骨折があれば、骨折の治療をします。

骨折が疑われる時の応急処置

 骨折が疑われる場合、その部位を動かすと強い痛みが生じるので注意し、搬送中に揺れ動かないように軽く固定します。

 前腕あるいは膝から足首までの間の骨折の際には、腕や脚全体を段ボールやボール紙でロール状に巻いて固定します。上腕骨や大腿骨の場合には、戸板や大きな段ボールを重ねて担架とし、子どもを寝かせて搬送します。

合併症について

 重症例では象牙質形成不全の合併もみられます。象牙質形成不全は特異的に象牙質の形成障害を起こす疾患です。

 歯の喪失を可能な限り予防するため、定期的に歯科を受診しましょう。聴力障害が疑われる場合は補聴器を使用し、必要な場合はアブミ骨(鼓膜の振動を内耳に伝える骨のひとつ)手術を受けて、聴力の確保を行います。

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