日常生活における注意点

年齢別の注意点

乳児~育児の通常動作でも骨折のおそれ

 育児の通常動作、例えば更衣時に手足が洋服に引っ掛かる、子どもを抱いて移動中に下肢が障害物に軽く引っ掛かることだけでも骨折することがあります。大きな音に驚いただけで骨折することもあります。骨折がある場合は、抱っこや更衣を嫌がったり、機嫌が悪かったりします。

日常生活での注意点

 部屋を静かにして、赤ちゃんの周りを整頓します。呼吸は普段から少し速く、汗をたくさんかくことが多いです。1分間の呼吸数、体温をよく把握し、異常の早期発見に努めましょう。

移動 : 移動の際には人手が必要なため、移動可能な人数かを判断し、準備(着替え、布団など)を行っておきます。通路の障害物をどけて、最近痛めた箇所に注意して移動します。

抱っこ :ひざの下に手を入れて抱き上げる際に、少し体を抱き直そうとして折れることもあります。両手で、骨盤・下肢の保持と頭部・肩・上肢の保持が必要です。後頭部は骨がまだ形成されていないことが多く、柔らかいクッションで包むなどして強く握らないように支えます。慣れないうちは、頭の保持を別の人に助けてもらいましょう。激しく泣かないかを確認しながら、ゆっくり移動します。

衣類 : 薄着で、袖ぐり・襟ぐりが大きく、サイズの大きい服を選びます。袖を通すときに手をつかんで引っぱらないようにします。衣類の紐が手足、指に絡まないように気を付けます。オムツは、外力をできるだけかけずに交換します。

入浴 : 明らかな骨折のあるときは、入浴、抱っこによる移動は見合わせます。びっくりさせないように少しぬるめのお湯にすると良いでしょう。手足を動かしてぶつけないよう気を付けます。浴槽の近くまで安全な方法で移動させ、裸で抱っこをする距離を短くします。赤ちゃんの手足が空中でばらばらしないようにします。

哺乳 : 寝たままが多くなります。げっぷは難しいです。浣腸・おなかのマッサージを併用し、おならを出すことを心がけます。添い寝はかなり危険です。

幼児~歩き始めると骨折の危険が増える

 歩き始めた子は転倒、車椅子の子は転落などの事故により、頭部の骨折が増えます。頭の保護を十分にしましょう。

日常生活での注意点

 階段、風呂、トイレ、玄関が危険で、小さい段差も転倒の原因になります。子どもの目の高さに立って、テーブルの角などの危険を考え、事故を防ぎましょう。

 歯が着色したような色で生えてきた場合は、注意が必要です。上あごが下あごに比べて小さい場合が多く、歯列不正、受け口になることもあります。

小学生~学校の選定

学校の選定:就学の5か月前に健康診断を受け、障害の程度、学校の体制などを考慮し、市区町村の教育委員会が決定します。知的な問題がなければ、普通校に行く子どもの割合は増加しています。

学校生活:教室は1階が良いでしょう。エレベーターやリフトの設置、障害者用トイレ、スロープ、階段の手すり設置など、施設の充実も必要です。体育活動については主治医と相談しましょう。

中学生・高校生~骨折に注意

 この時期は活動性が増すため、骨折が多く起こります。激しい痛みでなくても新たな骨折があれば、治療が必要です。治療せずにいると、徐々に弯曲変形が生じてくる可能性があります。真っすぐな骨が曲がると、より折れやすくなります。

 十分なカルシウム摂取と、日常の活動を続けることにより、薬物以外で骨密度の増加を獲得できる貴重な時期です。栄養には十分気を配りましょう。

成人~骨量の維持が大切

日常生活での注意点

 早期に骨粗鬆症の症状が始まり、腰痛や背部痛がみられることがあります。一定の運動量を維持することが、骨の強化とともに疼痛の予防には大切です。
50歳頃までに何らかの難聴があることが多いです。補聴器の使用や必要な場合はアブミ骨(鼓膜の振動を内耳に伝える骨のひとつ)手術を受け、聴力の確保を行います。成人しても定期的な受診、必要に応じた検査・治療を行いましょう。

普通自動車運転免許取得:試験場の障害者相談窓口で、改造車か普通車の適性検査を受けます。免許取得の際の助成金や自動車の改造費用の一部に助成金が出ることもありますので、行政機関に相談しましょう。

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