はじめに
I.子どもの骨折の疫学
II.子どもの骨を丈夫にする
  運動
III.子どもの骨を丈夫にす
   る栄養
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本提言(抜粋版)の転載にあたって


子どもの骨を丈夫にするための提言


日本骨粗鬆症学会 子どもの骨折予防委員会 (委員長:清野佳紀) 

田中弘之1) 杉森裕樹2) 加賀 勝3)
井本岳秋4) 三村寛一5) 高橋香代3)
清野佳紀6)    

1)岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学,2)聖マリアンナ医科大学予防医学,3)岡山大学教育学部,4)静岡県総合健康センター,5)大阪教育大学保健体育教育講座,6)大阪厚生年金病院小児科

近年,子どもの骨折が増加したといわれている。実際,各都道府県における調査でも子どもの骨折率は過去10年間に1.5倍程度増加している。
これまで,骨粗鬆症の予防法は閉経後の女性の骨密度の減少を,いかにくいとめるかということに重点がおかれてきたが,減少しはじめた骨をくいとめることがいかに困難であるかということもわかってきた。 そこで注目されるのは,骨の成長期にできるかぎり骨を増加させ,将来たとえ骨が減少したとしても骨粗鬆症にならないようにしておこうという予防法である。つまり,骨が減少する年齢に骨を増やすことが難しいのに比べ,骨が増える時期により増やすことのほうが比較的容易だからである。
最近の研究によれば,腰椎の骨は女性では初潮の前後で急激に増加し,16歳ごろに最大となる。男性では2年遅れて増加する。その後女性では,45歳ごろまで一定の値であり,閉経前後から急激に減少する。男性では70歳ごろまで一定の値である。この成績から,男女とも9歳〜15歳の時期が骨を増やす最適な時期と考えられた。
しかしながら現実には,前述したように,この時期に骨折する子どもは増えており,それら骨折する子どもの骨密度は低下している。したがって,現代の子どもが骨づくりに重大な時期に骨密度が低下し骨折する原因を明らかにし,対策を立てることが急がれる。このことは増加しつつある子どもの骨折を予防する観点からも重要であるが,激増する骨粗鬆症患者の骨折を予防する意味でも,はるかに重要な医療対策上の意義がある。
2001年に日本骨粗鬆症学会は,子どもの骨を丈夫にするとともに,子どもの骨折を予防するための目的で「子どもの骨折予防委員会」を設置した。本委員会で過去5年間にわたり,子どもの骨の現状を分析するとともに,骨を丈夫にするための対策に関して検討を重ねた結果,今回,「子どもの骨を丈夫にするために」の提言を公表するに至った。

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