カルシウムとリンが足りないとくる病になると書きましたが、実際にはカルシウムだけが足りないだけではくる病になることはまずありません。これは、
カルシウムが不足しても簡単には低カルシウム血症にならないし、低カルシウムになったとしても少しの低下で痙攣などのほかの症状があらわれ、極端な低カル
シウムにはならないためと考えられます。ですから、通常はくる病はさまざまな原因で起きる低リン血症の結果であるといえます。
その原因は表にまとめましたが、大きくビタミンD欠乏に代表されるようなビタミンDの働きが足りないためにリンが不足して起きるくる病と、家族性低リン血症性くる病に代表される腎臓からリンが大量に漏れてリンが不足するくる病に分類されます。
田中 弘之 / 岡山済生会総合病院小児科 診察部長
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