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多くの子どもの骨の病気が今までは不治の病であった上に、世界的にもこのような病気に関心を持つ小児科医はきわめて少ないので、患者さんにとっては病気の治療に関して相談する場所が少なく、途方に暮れておられた方も多かったと思います。
 しかし、遅ればせながら医学の進歩はこの分野にも光を投げかけてくれるようになりました。まず、1971年に難治性のくる病を治すことができる活性型ビ タミンDが発見され、その後、薬として手に入るようになりました。また、1986年頃から軟骨無形成症などに適用される骨延長術もわが国で小児慢性特定疾 患として、保険診療が可能となりました。
 私が軟骨無形成症の患者さんの会の強い要望を受けて、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社にお願いしたところ、本社の理解も得られ、その後臨床試験を経て1997年、厚生労働省から成長ホルモン療法の承認を得ることができまし た。これにより、軟骨無形成症の患者さんは、骨延長術という外科的な治療と、成長ホルモン療法という内科的治療を受けられるようになった結果、身長を飛躍 的に増加させることができるようになりました。
 1998年にはカナダのFrancis H. Glorieux先生たちが骨形成不全症の子どもにビスフォスフォネート製剤が劇的に効果があると発表しました。日本を含めて世界中の骨形成不全症の子ど もたちも、新生児期からこのビスフォスフォネート製剤を使用することにより、普通の子どもと同じように生活できるようになってきました。また今後、より新 しいビスフォスフォネートも使用できるようになると思われます。
 私が大学を卒業した1965年頃には全く治すことができなかったこれらの病気が、約45年後にはその多くを治療することができるようになり、かなりの程度の効果を期待できるようになりました。
 これらの情報をまとめて患者さんとその家族の方たちのお役に立てるようにwebsiteを立ち上げてから6年が経ちました。この度新しい知見も加えて websiteを更新いたしました。これも患者さんとその家族の皆様や多くの先生方、ならびにノボ ノルディスク ファーマ株式会社のご支援によるものと深く感謝いたします。
 それぞれの患者さんとそのご家族におかれましては、患者さんの会に属したり、あるいは属さずにこれらの病気と闘っておられることと思います。骨の病気の 専門家はきわめて少ないのが現状ですが、どうかひとりの信頼できる先生を決められて、年に2回くらいは新しい情報の収集を兼ねて検診に行かれることをお勧 めいたします。私を含めて、本サイトの執筆者はすべて、それぞれの地域で子どもの骨の病気の専門医として、診療を行っています。
 近い将来必ずや、いっそうの医学の進歩の恩恵を受ける日がやってくるものと確信しています。
2012年7月吉日 

監修  清野 佳紀
大阪厚生年金病院 名誉院長
大阪保健医療大学 学長
 

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